英語学習全般

50代で英語が話せるようになった自分の英語学習「挫折史」

書店に行くと、社会人やシニア向けの英語本がたくさん置いてあります。

「30代から英語を始める」
「アラフォーでもまだ大丈夫」
「40代でも英語が話せるようになる」

本の背表紙を見ると、そんなタイトルが踊っていますね。

でも、私に言わせると、
「いやいや、50代からでも大丈夫だよ」と突っ込みたくなってしまいます。
なぜなら私自身が50代になってから英語が話せるようになったからです。

しかし、50代以前、ただボーッとしていたわけではありません。
何十回も英語にチャレンジし、そのたびに挫折を繰り返してきました。

今回はその「自分の英語学習の挫折の歴史」を書くことにします。
ただし、これは私だけの挫折史ではなく、おそらく私と同年代の人の多くが経験してきたことだと思います。
もし、「50代だけど英語をあきらめきれない」という人がいれば参考になるかと思います。

挫折のイラスト

カトリック教会でアメリカ人神父に英語の手ほどきを受ける

もう40年以上前のこと、私がまだ小学校3年生の時の話から始まります。

小学生の頃、私は学校の成績が悪すぎて、親が何か勉強させないとヤバいと思ったのか、塾に行かされることになったんですね。
ところが行った先は普通の学習塾ではなく、英語塾?だったんです。

私は地方の小さな町に生まれ育ったのですが、そんな小さな町にもカトリック教会がありました。
実家はキリスト教とは何の関係もない家庭でしたが、その教会へ毎週土曜日の午後、通うことになったのです。

その教会では小学生向けに1時間の土曜学校みたいなものが開催されていました。
前半30分はカトリック教会の日本人スタッフの女性がキリストの教えを説教してくれます。
(正直言って全く興味はありませんでした)

そして後半30分ではそのカトリック教会の主である神父さんが登場します。
彼は超ヘンテコな日本語を話すアメリカ人なんですが、そのアメリカ人神父による英語の授業がありました。

一応、子供向けのテキストがあったのですが、それがまた

This is a pen.

This is a desk.

This is a book.

といった単文が延々と載っている超ツマラナイものでした。

この教会の土曜学校で今でも私は神父さんの口癖「ワッチデース?」の声をよく覚えています。
神父さんが何かを指さしながら「ワッチデース?」と問いかけると、私たちは声をそろえて

This is a table.

などと答えるわけです。

その「ワッチデース?」という妙はフレーズが What’s this? のことだと気づいたのは中学生になってからでした。

聖書

 

YMCAの英語塾で学級崩壊させてしまった

そのカトリック教会に3か月ほど通った後、突然、私は親から辞令を受けることとなりました。

教会の土曜学校はやめて、近所にある英語塾に入ることになったのです。

その英語塾というのはYMCAが主催している子供向けの英語教室だったのですが、親はたぶんそちらの方がレベルが高いと思ったのでしょうね。

でも、いきなり転勤命令を食らったサラリーマンみたいなもので、私としてはさらに英語に対する「うんざり感」が出てきました。
その上、幼馴染の悪ガキといっしょにその教室へ通うことになったのです。

その悪ガキというのが本当に悪いヤツで、その英語教室の授業中に毎回大騒ぎするんですね。
奇声を発したりとか、ものを投げたりとか、他の子どもにちょっかいを出したりとか…。

私もそれに便乗してしまい、同じように「ちょっと度が過ぎた」おふざけをやってしまったんです。

その結果、その教室では英語の授業が成り立たなくなるくらいになってしまいました。
今で言う学級崩壊に近かったと思います。

私はそのクラスを担当していた若い女性の先生の困った顔を今でもうっすらと覚えています。
それに何といっても迷惑をかけた他の子どもたちには本当に申し訳なく思っています。

結局、その教室も2か月ほどで行かなくなったのですが、おそらくクレームが入ったのではないかと思うのですね、はっきりとは知らされていませんけれど…。

教室風景

 

今となっては笑えるくらいヒドイ英語教材がやってきた

その後、ある日、自宅に英語教材の訪問販売員がやって来ました。
そして、今にして思えばスゴイ高い、おそらく当時の30歳くらいのサラリーマンの給料2~3か月分くらいの英語教材を売りに来たのです。

田舎町で時代も時代だったので、たいした情報もなく、その販売員の口車に簡単にのせられた父親は子供のためと思ったのか大奮発してその英語教材を購入したわけです。

しかしその教材は今思うとひどいものでした。

This is a pen.

That is a door.

This is a desk.

またもや、あのカトリック教会のテキストみたいな単文が延々とカセットテープに吹き込まれていて、しかもそんな面白くないテープが数十本あるんですね。

その上、外国人の発音がめちゃくちゃ変で、子供心にも「お手本ならもうちょっときれいな英語をしゃべってほしいな」と思えるくらいに変な英語でした。
いまだにお手本の「ザリツドー」という「お手本?」の発音が耳にしっかり残っています。
ちなみにこれは
That is a door.
です。

また、お手本のカセットテープを聞くにはテープレコーダーが必要なのですが、当時、テープレコーダーというのはまだ高価な「機械装置」で、一般家庭にはまだ普及していませんでした。
ところがその教材にはそのテープレコーダーがセットで付いていたんですね。
それで親がすっかり参ってしまったわけです。
(ちなみに当時のテープレコーダーって、今にして思えば笑えるくらい大きな機械で、1台がかつてのVHSビデオデッキくらいの大きさでした)

さらに笑えるのはその英語教材とカセットテープのセットの付録として、ジョン・ウェインが主演した映画『駅馬車』音声テープと英語の脚本が付いていたことです。

しかし『駅馬車』は1939年のモノクロのアメリカ映画で、当時、小学生だった自分も「さすがにちょっと古いんじゃないか」と思いました。
しかも付いているのは映像ではなく、音声だけが入ったカセットテープだったんですね。
それなのに感動した父親はその超高価な英語教材セットを購入してしまったのです。

結局、その教材は1回か2回、ちょっと聞いたくらいでお蔵入りになったことは言うまでもありません。

 

その後、もう親が英語を子どもに習わせようとは思わなくなったため、ひとまず英語からは解放されました。
しかし、自分自身が英語をやりたいとも思っていない時期に親から強制的にやらされたのは子どもながらにキツかったですね。

小学校では2020年から5・6年生以上では外国語がいよいよ「教科化」され、成績も付くようになりました。

さて、子どもたちの気持ちはいかがなものか?
他人の家の子どものことながら、ちょっと心配になります。

ジョン・ウェインの映画

 

年々、市販の英語教材は進化して来ているけれど…

中学校の頃は英語はそこそこできたので、地方ながら高校は一応、進学校に入りました。
しかし高校時代は完全に落ちこぼれてしまい、高校3年間、英語力はほとんど中学生時代のまま止まっていたと思います。

それでもどうにか大学を卒業して社会人になると、仕事が楽しくて英語への興味はますますなくなってしまいました。

ところが30代になって、なぜか英語に興味を持ち始めたんですね。
そして毎年のように4月になるとNHKのラジオ英語講座のテキストを買うようになりました。

なぜならNHKのラジオ講座のシリーズは毎年4月から新しくスタートするからです。
でも、1度たりとも続いたことはなく、毎年5月に入る前には必ず挫折していました。
だから、私にとっての英語熱は毎年4月になると発病する季節病のようなものだったと思います。

ちょうどその頃、日本各地では駅前留学ブームが起こっていました。

会員の中には数十万円ものレッスンチケットを前払いで購入したのに、どのレッスンも常に満杯で予約が取れず、結局、チケットの有効期限までにほとんどレッスンを消化できずに涙をのんだ…という人が続出して話題にもなりました。

実際、私の知人にもそういう人がいて、レッスン料金を返してもらえないと言って嘆いていましたね。

当時、なぜ私がそういう英会話スクールに行かなかったかと言うと、仕事が忙しかったのもあるけれども、英語を人から学ぶなんて…という気持ちがあったからです。

子どもの頃、強制的に英語教室に通わされた記憶が苦々しく残っていたので、英語を学ぶなら独学しか嫌だと決めていたのです。

ラジオ英語講座に見切りをつけた私は市販の英会話の参考書や音声教材を次々に買いまくっていました。

しかし今にして思うとどれもヒドイ教材ばかりで、一応は勉強してみるもののまったく身に付かないものばかりでした。

かといって、駅前留学すれば英語ができるようになったとは今でも思っていません。

でも、そのまま40代になってもあいかわらず市販の英語教材にあれこれ手を出しては挫折…を繰り返していて、結局、英会話はまったく身に付かずに50代を迎えてしまったのです。

本棚にぎっしり詰まった本

 

今だから思うけど、50代がいちばん英語を勉強しやすい時期

何といってもパソコンとネット環境の普及は英語学習に革命をもたらしましたね。

YouTubeだけでもそこそこ英語を学べる時代になりましたし、スカイプなどを使って海外の人と英会話ができるようになりました。

そういう環境がそろってきたこともあるとは思いますが、今思うのは若い頃よりも50代になった今の方が圧倒的に英語を勉強しやすいということです。

20代から30代、ガムシャラに仕事をしたかった時期は英語辞書を引いたりヒアリングの練習なんか面倒くさくてやっていられませんでした。

40代になってからは転職したこともあり、仕事に振り回されてばかりで英語を学ぶ心の余裕はゼロでした。

50代になり、気持ち的に落ち着いてきた時、ふと、オンライン英会話でもやってみようかという気持ちになって、入会してみたんですね。
すると、始めて3か月ほどでそこそこ話せるようになってしまいました。

カトリック教会やジョン・ウェインの駅馬車に始まり、NHKラジオ講座の季節病を経て、山ほどの英語教材で挫折を繰り返したにもかかわらず、オンライン英会話を開始してわずか3か月ほどで英語が「そこそこ」しゃべれるようになるとは…。

英語を学ぶ最適な方法は人によって違うと思いますし、「これが絶対にいい!」とは断言できません。
でも、何十年と挫折を続けてきても、自分に合った方法に偶然出会うことさえできれば、あっという間に英語なんかできるようになるもんだ、ということは知っておいていただきたいと思います。